玄奘(げんじょう)
中国のお坊さんの三蔵法師が、孫悟空、沙悟浄、猪八戒を引き連れて命がけで砂漠を越えてインドに渡り、たくさんのお経を持ち帰る「西遊記」という物語があります。
この物語に登場する三蔵法師は、実在した「玄奘」という名前の偉いお坊さんです。
玄奘はわずか13歳で正式なお坊さんになり、一生懸命に勉強しました。
そして中国にあるお経を全て研究しましたが物足りなくなり、仏教が始まったインドへ渡る決意をしました。
当時の中国は、唐の国ができたばかりで国民が外国へ行くことはとても危険だったため禁じられていました。
それでも玄奘は28歳のときに、唐の法律を破って旅立ったのです。
玄奘は何度も危険な目に遭いながら、ようやくインドに辿り着きました。
そこで本場の仏教を習い、それら全てをマスターしたのです。
そして657部という沢山のお経を中国に持ち帰りました。
玄奘の命がけの大冒険は16年間にも及びました。
法律を破ってインドに渡った玄奘ですが、中国で一番のお坊さんになって帰ってきたため、唐の皇帝は罰しませんでした。
玄奘のすごいところは、お経を持ち帰っただけではなく、インドの言葉で書かれていたお経を次々と中国語に翻訳したのです。
国家プロジェクトとして始まった翻訳事業には多くの人とお金が注ぎ込まれました。
それでも最終的には玄奘がチェックしなければならないので、休む間もありません。
毎日2時間しか眠らず翻訳を続けたといわれています。
玄奘が翻訳した沢山のお経は、日本へも伝えられました。
日本のお坊さんが読んでいるお経の多くは、玄奘が翻訳したお経なのです。
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旅立ちスタッフ 島袋