湯灌納棺~儀式から納棺まで①~
これまで、ブログで湯灌やメイク納棺について色々書いてまいりました。
今回は、湯灌納棺の儀式から納棺までを何度かに分けて書いていこうと思います。
大まかな流れは
1、お体やお顔の様子を見ながら硬直をほぐす
2、体液や腹水の戻りがないように綿花にて処置して脱衣(鼻、目、口)
3、浴槽の上に移動のちにシャワー入浴(洗顔・洗髪・お顔そり)
4、身体を拭いてから布団へ移動・着せ替え
5、再度お顔の状態を見ながらお化粧、整髪
6、お棺への移動、お顔まわりの飾りつけ
ここまでで、約1時間から1時間半ほどのお時間をいいただきます。
メイク納棺ですと、40分から1時間、メイクのみですと30分ほどとなります。
1の「硬直をほぐす」というのは、人は亡くなると心臓が止まるので血液が流れなくなり
循環器が停止します。呼吸も止まるので酸素の供給がなくなります。するとだんだんと筋肉が固くなっていくのです。
亡くってすぐは柔らかいのですが、10時間から12時間もすると関節が曲がらないほどに硬直が出てきます。ただこれは年齢や性別によって変わっていきます。
逆に20時間を超えてくるとまたゆっくりと硬直は解けていきます。
ただ、脱衣や着せ替えの際に、関節を傷めないように一度ほぐします。
入院着や浴衣は脱衣がそれほど難しくないのですが、普通のワイシャツや伸びない素材のお洋服はなかなか大変です。どうやって着せたのか、といつも思っていました。
また脱衣をしながら、抜針跡(点滴や注射)を探して出血はないか、擦過傷はないか見ていきます。
ドライアイスなどで身体が冷えていると出血は止まっていることが多いのですが、お湯を使うとまた出てきてしまう事があります。亡くなってしまううと傷を塞ぐ自然治癒もできません。ですのでその際はシャワー前に仮に手当をしてからお体を洗います。
脱衣の際は、お体が見えないようにお布団や大きめのバスタオルで隠して勧めます。
最近は病院で亡くなられる方が多いので、浴衣を着ているパターンが多く、これはほとんどが病院からのリースですので、病院に返すことは少ないかと思います。
次回は処置についてを書いてみます。
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旅立ち スタッフ 山岸