お盆飾り
7月に入り、スーパーやホームセンターではお盆飾りのセットを見かけるようになりましたね。
7月または8月の13日から16日までのお盆期間中に、飾りつけるものをお盆飾りと言います。
宗派によって飾り方の違いはありますが、本日は正式な飾り方をご紹介したいと思います。
始めに盆棚(ぼんだな)というご先祖様をお迎えする祭壇を作ります。
盆棚は精霊棚(しょうりょうだな)とも呼ばれ、その名の通り精霊やご先祖様をお迎えするときに、位牌やお供え物を置くために必要な棚のことを指します。
棚にはゴザや真菰(まこも)を敷き、中央にお位牌を安置します。ナスやキュウリで作った精霊馬・精進料理のお膳・そうめん・だんご・季節の野菜や果物、故人の好物などのお供え物を供えます。
棚の左右には盆提灯(ぼんちょうちん)を飾ります。お盆飾りにはお盆にご先祖様が帰ってくることを華やかにお迎えしおもてなしをする意味があります。
真菰の敷物:真菰は稲の一種で、これを編んで作られた敷物を盆棚の下に敷きます。お釈迦さまが真菰で編んだ病床に病人を寝かせ治療したという仏話があり、真菰は神聖な植物とされ仏事や神事に使われるようになりました。また薬用成分を含むことから、病気を治し邪気を払うと言われており、真菰の敷物を敷くことで聖域を作り清浄な場所にご先祖様をお迎えする意味合いがあります。
盆提灯:贈られた数が多いほど故人が周囲から慕われてきたことを示すと言われており、地域によってはたくさん飾るところもあります。精霊棚の両側に一対飾るのが基本とされていますが、数に決まりはありません。また、初盆だけは通常の盆提灯に加えて白提灯も用意します。初盆の場合は故人が亡くなってから初めての里帰りになるので、故人の霊が迷わず家に帰ってこれるように、目印として玄関や軒先に白提灯を吊るすのです。ちなみに初盆で白提灯を使う理由は、故人の霊を初めて迎えるには清浄無垢の白がふさわしいとされてきたからです。現在では住宅環境の変化により、窓際や仏壇の前に飾る家庭が多いようです。
①そうめん:細く長く幸せに過ごせるようにと言う意味で、縁起物として飾られています。
その他にはあの世から戻ってくるときに乗っている馬の手綱や、お土産をたくさん持って帰るときの手綱に見立てられています。
②昆布(乾物):よろ昆布(喜ぶ)として喜びを表し、昔からおめでたい食べ物とされています。
③鬼灯(ほおづき):赤い灯火や提灯に見立てて飾られます。ご先祖様が帰ってくる際の目印は盆提灯ですが、最後にポツポツと飾られたほおづきの赤い灯火が家の中まで、ご先祖様を導いてくれると言われています。また、ご先祖様はお盆の間、ほおづきの実の中に魂を宿して過ごすと言われています。
④生花:トゲのあるバラやつるのある花(朝顔など)は避けましょう。
⑤精霊馬(しょうりょううま):ナスとキュウリに割り箸や爪楊枝を四本指して足をつけ、牛馬に見立てた飾り。キュウリの馬は「馬に乗って早く帰ってきてください」という意味で、ナスの牛は「景色を見ながらゆっくりお帰り下さい」という意味が込められています。
⑥水の子:ナスやキュウリをさいの目に切り、洗った米を混ぜて清水を満たした器に入れたものです。水の子だけは他のお盆飾りと違い、お盆に帰ってくるご先祖様だけでなく無縁仏や餓鬼などすべての霊に対してお供えするもので、乾いた喉を潤せるようにとの願いが込められています。すべての霊に対しておもてなしをしようという気持ちは、ご先祖様への供養にもなると言われています。
⑦禊萩(みそはぎ)の花:盆花、精霊花とも言います。お盆の時期に咲く姿を見て、故人に想いを馳せることから、供え花として親しまれてお盆や仏前に備えられるようになりました。「禊」という言葉の通り、浄めのために使われるもので、、ご先祖様があの世から帰ってこられるときに付いてきた悪霊を払うという意味があります。
⑧百味五果(ひゃくみごか):精霊棚に供えるごちそうです。百味はたくさんの美味しいもの、五果は瓜・茄子・麺・饅・餅の五種類のことを指します。実際にはこれらすべてをお供えしなければならないというわけではなく、夏に収穫できる野菜や旬の果物をお供えすることで、ご先祖様が喜んでくださると言われています。
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旅立ちスタッフ 木田